事務職は営業職などと比べると成果が見えづらい職種のため、昇給が期待しづらいデメリットがあります。
しかし資格を取得して転職やキャリアアップを目指せば、十分高収入を期待できるようになります。
そこで本記事では事務職で資格を取るメリットを解説し、また事務職にお勧めの資格を7つご紹介します。
事務職とは、資料や書類の作成や確認、ファイリングなどを行う職種です。企業によっては経理や顧客対応などを任される場合があり、あるいは専門的なスキルが求められるケースもあります。例えば「法律事務」は法律に関する知識を生かす事務職で、法律業務に携わることで弁護士や司法書士へのキャリアアップを目指せる特徴があります。
事務職で資格を取るメリットは主に以下の3つです。
<事務職で資格を取る3つのメリット>
・昇給につながる
・仕事をスムーズに進められる
・転職で有利になる
順番にわかりやすく解説します。
資格を取得する最大のメリットは、昇給につながりやすい点です。資格をアピールすれば報酬アップの交渉をしやすくなるだけでなく、企業によっては資格を持っているだけで手当が付与されることもあります。また、昇進の条件として資格取得を義務付けている企業もあり、結果として資格取得が昇給に直結しやすくなります。
資格を取得していれば、専門知識を生かして仕事ができることをアピールできます。就職した直後から即戦力として活躍できる可能性が高いため、新しい職場にも早くなじめるでしょう。
また、転職の場面でも有利になります。単なる「一般事務」から「専門職」へのキャリアアップを目指せるので、報酬などの条件が良い職場に転職できる可能性が高まるでしょう。
そこで事務職にお勧めの資格を7つご紹介します。
<事務職にお勧めの資格7選>
・MOS
・秘書検定
・日商簿記検定
・ITパスポート
・ファイナンシャルプランナー
・医療事務技能審査試験
・パラリーガル認定資格
それぞれの資格の特徴や合格率などを見ていきましょう。
MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcel、Power Pointなどが使えるスキルを証明する国際資格です。
【MOS(スペシャリスト)の概要表】
合格率 | 非公開 |
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受験資格 | なし |
試験日 | 【全国一斉試験】 ・毎月1~2回開催 【随時試験】 ・各試験会場が設定した日程(ほぼ毎日開催) |
受験費用 | 1科目あたり10,780円~ |
出題内容(形式) | マルチプロジェクト |
WordやExcelなどの基本的な操作ができることを採用条件にしている企業は多いため、MOSを取得しておくと就職・転職に有利です。合格率は公表されていませんが、試験は連日開催されており、比較的取得しやすい資格とされています。実務経験なしでも受験できるため、パソコンスキルを示すための資格として取得を目指すと良いでしょう。
秘書検定は、公益財団法人実務技能検定協会が実施する民間資格です。
【秘書検定(1級)の概要表】
合格率 | 約35% |
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受験資格 | なし |
受験費用 | 6,500円 |
出題内容(形式) | 筆記試験、面接試験 |
秘書検定は、3級から1級まで存在します。最上級の1級は秘書としての知識や技能に加えて所作なども試験の対象となるため、合格率は低めです。秘書検定を取得していればビジネスマナーが身についていることを証明できるため、秘書としての活動を目指す方だけでなく、社内外でのコミュニケーションが多い職場への転職を希望している方にも取得をお勧めします。
日商簿記検定は商工会議所が実施しており、主に経理事務に求められる資格です。
【日商簿記検定の概要表】
合格率 | 2級:約30% 3級:約45% |
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受験資格 | なし |
受験費用 | 2級:4,720円 3級:2,850円 |
出題内容(形式) | 2級:選択式+入力式5題入力 3級:選択式+入力式3題入力 |
経理に関する知識をアピールしたい場合、日商簿記検定に合格しておくと有利になります。特に中小企業では、事務職員に経理を任せることも多いため、取得しておけば就職先の幅を広げられるでしょう。
ITパスポートは国家試験のひとつで、取得するとITに関する基礎技術を備えていることをアピールできます。
【ITパスポートの概要表】
合格率 | 約60% |
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受験資格 | なし |
試験日 | 毎週土日など地域によって異なる |
受験費用 | 7,500円 |
出題内容(形式) | 四つの選択肢からの択一式 |
ITパスポートを取得することで、AIやビッグデータ、IoTといった新しい技術の知識があることや、情報漏洩などのリスクに備えられる能力を持つことをアピールできます。インターネットに関するノウハウはあらゆる企業で必須なので、その他の事務職員との能力を差別化するために取得しておくと良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、お金の専門家として金融、税制、保険などのアドバイスを行う仕事です。ファイナンシャルプランナーには多種類の試験がありますが、本記事では代表的な試験であるFP技能検定について解説します。
【FP技能検定の概要表】
合格率 | 3級:約80% 2級:約60% |
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受験資格 | なし |
受験費用 | 3級:8,000円 2級:11,700円 |
出題内容(形式) | 学科、実技(筆記) |
FP技能士を取得すれば、資産運用や税金対策、保険などに精通していることをアピールできます。特に事務職員が経理を担当する中小企業では、お金に関する知識が豊富なFP技能士は優遇される可能性が高いでしょう。
医療事務技能審査試験は、一般財団法人日本医療教育財団が実施する民間試験であり、病院やクリニックなどの医療機関に就職する際に役立ちます。
【医療事務技能審査試験の概要表】
合格率 | 非公開 |
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受験資格 | なし |
試験日 | 医科:年12回 歯科:年6回 |
受験費用 | 7,700円 |
出題内容(形式) | 実技(記述式・点検)、学科(択一式) |
医療事務技能審査試験に合格すると、医療事務に関する高度な専門知識を有していることをアピールできます。医療事務は無資格でもできる仕事ですが、この資格を取得しておけば医療に関する知識を持っていることを示せますので、高収入を得やすくなるでしょう。
法律事務所で働く場合に有利になる民間資格です。パラリーガルは弁護士のサポート業務を行う仕事であり、将来的に弁護士や司法書士にステップアップできる可能性もあります。
【パラリーガル認定試験の概要表】
項目 | エレメンタリー・パラリーガル | インターメディエイト・パラリーガル |
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合格率 | 90%前後 | 80%前後 |
受験資格 | ・エレメンタリー・パラリーガル資格認定講座を修了していること ・法律事務所で1年以上の実務経験があること ※上記のうちいずれか1つを満たすこと |
・インターメディエイト・パラリーガルの認定資格講座を修了していること |
受験費用 | 8,800円 | |
出題範囲 | 法律用語、裁判手続きの手順、民法、刑事訴訟法、経理など | 民法、刑事訴訟法、債務整理など |
上記のほかに最上級のアドバンスド・パラリーガルもありますが、弁護士秘書を目指す場合はエレメンタリー・パラリーガル、パラリーガルを目指す場合はインターメディエイト・パラリーガルを取得しておけば就職率が大幅に上がります。合格率も高く、事務職員から専門職へのキャリアアップを目指す方にとって、狙い目と言える資格のひとつです。
事務職では資格を取得することで昇給につながるだけでなく、転職やキャリアアップでも有利になります。本記事でピックアップした7つの資格はどれも就職・転職市場において役立つため、取得する価値が十分にあるでしょう。
また事務職の中でも法律事務の仕事につけば、給与を得ながら高度な専門職である弁護士や司法書士にキャリアアップできる可能性があります。リーガルブライトでは、日頃から法律に関する仕事ができる法律事務所などへの就職・転職支援を専門的に手掛けています。一般的な事務職員から脱却して、高収入を目指している方はぜひ弊社サービスをご利用ください。