就職・転職において人気が高い事務職ですが、「将来性がない」と言われることもあります。真偽を確認したいところですが、なぜそのように言われるのでしょうか。
本記事では、事務職に将来性がないと言われる理由を5つご紹介し、対処法と合わせて解説します。事務職として求められる人材になる方法もお伝えしますので、ご覧ください。
事務職は「将来性がない」と言われますが、決してそんなことはありません。確かにAI・IT化により働き方が変化していますが、企業において重要な職種であることに変わりありません。そのため事務職という仕事がすぐになくなるとは考えにくく、安定性の高いメリットある職種と考えて問題ないでしょう。
事務職のメリットとしては、以下の5点が挙げられます。
<事務職につくメリット>
・デスクワークが中心で力仕事がほとんどない
・未経験可、資格不問の求人が多い
・カレンダーどおりに働ける職場が多い
・残業が少ないためプライベートを充実させやすい
・ノルマに追われる心配がない
事務職はデスクワークが中心で、営業職などの職種と違ってノルマもありません。また、カレンダーどおり・就業時間どおりに働ける場合が多く、プライベートを充実させやすい点もメリットです。また、人気の職種であることから倍率が高いものの、未経験・無資格でも採用されるチャンスがあります。
事務職は企業にとって重要な職種のひとつですが、なぜ「将来性がない」と言われることが多いのでしょうか。その理由には、以下の5つが考えられます。
<事務職の将来性がないと言われる5つの理由>
①AI・IT化によって事務作業が減る可能性がある
②企業のアウトソーシング化が進んでいる
③真っ先にコストカットの対象になる
④専門性が低く転職しにくい
⑤人気がある職種なので倍率が高い
これらの理由について、それぞれわかりやすく解説します。
AIの発展やIT化の加速により、従来は人間が行っていた事務仕事をコンピューターができるようになれば、事務作業が減る可能性があります。事務職は会社が定めた一定のルールに従って規則的に行う仕事ですので、AIに作業を取られかねない仕事だと考える人もいるのです。
しかし、AI・IT化によって働き方が変化しているのは、事務職に限った話ではありません。他にも「銀行員」「タクシー運転手」「コンビニ店員」などもAIに仕事を奪われる可能性があると言われています。そのため仕事を続けるには、職種選びよりもスキルを伸ばすことが重要です。
企業のアウトソーシング化が進んだことから、「事務職の正規雇用が減るのではないか」という意見も出ています。企業の中には業務のシステム化を見据えているところもありますので、正規雇用を控えるようになっても不思議ではありません。
アウトソーシングなら、企業は契約した期間だけ事務職員を採用でき、自社で人材を育成しなくても経験豊富な事務職員を確保できます。就職・転職により事務職を目指す人にとって不利な状況と言えますが、自らアウトソーシング会社で働くなどの対策をとることができます。
事務職は、成果が評価されにくい職種です。営業などと違って明確な成果が出ず、会社の利益を直接生み出しているわけでもありません。そのため企業がコストカットを検討する場合には、真っ先にコストカットの対象になる可能性があります。
事務職の仕事内容は多岐にわたりますが、特に専門的な知識やスキルが求められるわけではありません。「秘書検定」や「日商簿記検定」、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」などの資格を持つ人は就職・転職に有利ですが、いずれも難易度は比較的低く、取得しやすいものばかりです。
特に30代後半以降では、ポテンシャルよりも経験や実績、スキルが必要とされますので、転職しにくいです。一般事務職で長年働いたとしても専門的なノウハウを得ることは難しく、将来的な転職に不利という意見もあります。しかし、法律事務や医療事務など専門性の高い事務職につけば、このリスクを解消できます。
事務職は人気の高い職種であり、またAI・ITの導入を見据えた企業は雇い入れを控える動きも見られますので、求人倍率が高くなっています。
大手求人サイト「DODA」が発表した2022年9月のデータによると、事務・アシスタント職の求人倍率は0.33倍でした。これは「その他」を除いた全ての職種の中で、最も高い倍率です。そのため事務職として求められる人材でなければ、事務職への転職は厳しい道のりになるかもしれません。
事務職として求められる人材になるためには、以下の3つの方法を実践することが重要です。
<事務職として求められる人材になる方法>
①専門性の高い事務として働く
②アウトソーシング会社で働く
③PCスキルを高める
それぞれのポイントをわかりやすく解説します。
法律事務や医療事務など、専門性の高い事務で働くと良いでしょう。これらの業種で働ける人は限られるため、一般事務と比べると求人倍率はそこまで上がりにくい傾向にあります。また、転職後は日常業務を通じて専門的な能力が身につきますので、キャリアアップも狙いやすくなるでしょう。
アウトソーシング会社で働くのもひとつの手です。正社員として雇われる事務職は減少傾向にありますが、派遣社員の需要は高止まりしています。企業側のアウトソーシング化に合わせて、自らがアウトソーシングされる側に回れば、需要を維持しやすくなるでしょう。
IT化の波が迫っているのならば、そのITを使いこなす人材になる方法もあります。そのためには、まずPCスキルを高めることが重要です。たとえば「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」を取得すれば、WordやExcelなどのソフトを使いこなせることをアピールできるため、転職が有利になります。
事務職は先行きが怪しいと言われることがありますが、そのようなことはありません。事務職として求められる人材になれば、倍率が高くても転職が容易になり、IT化やアウトソーシング化の波も乗り越えられます。特に専門性の高い事務として働けば、将来的なキャリアアップも見込めるでしょう。
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