タイトル:パラリーガルから弁護士になれる?メリットや弁護士として就職するまでの手順を解説
法律の知識を生かして弁護士をサポートするのが、パラリーガルの仕事です。パラリーガルは仕事を通じて法律の知識を深められますが、弁護士へとステップアップすることは可能なのでしょうか。
そこでパラリーガルから弁護士になるための手順をお伝えします。またパラリーガルとして働いて弁護士を目指すメリットなども詳しく解説しますので、ご一読ください。
パラリーガルとは、法律の知識を生かして弁護士のサポートを行う仕事です。弁護士の指示・管理のもとで、判例を調べたり資料の作成を補助したりするなどの業務を行います。なお、法律相談を受けたり、受任の判断をしたりすることはできません。
結論からお伝えすると、パラリーガルから弁護士へとステップアップを果たした人は多く存在します。パラリーガルでは普段から法的業務に関わりますので、一般企業に勤める人と比べると有利だと言えるでしょう。
ただし、当然ながら弁護士への道が保証されているわけではありません。そこで弁護士になるためにパラリーガルとして働くメリットと、弁護士になる確率を上げるための方法を説明します。
まず重要なのは、働きながら勉強時間を確保できるかどうかです。パラリーガルとしての仕事が忙しい職場では、司法試験を突破するための勉強を行うことは難しいでしょう。そのため将来的に弁護士へのキャリアアップを狙っているのであれば、試験勉強に対して理解ある法律事務所に入社しましょう。
パラリーガルとして働きながら弁護士を目指すメリットは、実務経験を積める点です。もし司法試験に合格できなかったとしても、さまざまな選択肢を増やすことができます。キャリアを重ねて熟練したパラリーガルになるだけでなく、行政書士や司法書士に方針転換することも可能です。
パラリーガルの平均年収は330~400万円であり、パラリーガルになれば、毎月確実な収入を確保しながら法律の勉強ができます。専門知識が必要な仕事としては決して高額な報酬とは言えませんが、弁護士にステップアップするうえで貴重な実務経験を重ねられる点は大きなメリットでしょう。
パラリーガルから弁護士になる手順は次のとおりです。
<パラリーガルから弁護士になる手順>
①司法試験の受験資格を得る
②司法試験に合格する
③司法修習を受ける
④法律事務所へ就職する
各ステップについて詳しくご紹介しましょう。
弁護士になるためには司法試験を突破する必要がありますが、司法試験は誰もが受けられるわけではありません。司法試験の受験資格を得るために、次のうちいずれかの条件を満たしましょう。
<司法試験の受験資格を得る方法>
・予備試験に合格する
・法科大学院課程を修了する
それぞれどのような方法なのか解説します。
パラリーガルから弁護士になる人の多くが、予備試験に合格して司法試験の受験資格を獲得しています。予備試験は以下の日程で行われ、例年の合格率は約4%です。
<予備試験の日程>
・毎年5月⋯⋯短答式試験
・毎年7月⋯⋯短答式試験合格者を対象とした論文式試験
・毎年10月⋯⋯論文式試験合格者を対象とした後述式試験
・毎年11月⋯⋯合格発表
合格すると、翌年から5年間司法試験を受験する資格を得られます。
法科大学院課程を修了する方法でも、司法試験の受験資格を獲得できます。ただし、パラリーガルとして働きながら法科大学院に通う時間を確保することは困難です。パラリーガルから弁護士を目指す場合には、予備試験をクリアする方法がおすすめです。
司法試験は毎年5月に択一式・記述式の試験が行われ、9月に合格者が発表されます。合否は択一式・記述式両方のスコアから総合的に判断されますが、各科目に合格最低点が設定されており、1つでも合格最低点を下回る科目がある場合は不合格となっていしまいますので気をつけましょう。
司法試験の合格者は、司法修習へと進みます。司法修習では実務に関する知識や技能、職業意識、倫理観などを約1年間で学び、その後に行われる司法修習生考試に合格すれば弁護士資格を得られます。
弁護士資格を得た後は就職活動を行い、採用されると弁護士として働けるようになります。パラリーガルの経験があれば、未経験者と比べて就職できる確率が上がるでしょう。
弁護士ではなく、司法書士の道を目指すパラリーガルもいます。司法書士試験は司法試験と違い、予備試験なしで誰もが受験できる試験です。法科大学院に通う必要もなく、司法修習を受けることもないため、弁護士と比べてスムーズに転職できる点がメリットでしょう。
司法書士とは、登記や供託などの手続きを行う専門職です。また、司法書士資格を取得した後に認定司法書士(研修を経て簡易裁判所訴訟代理関係業務ができるようになった司法書士)になることで、代理人として活動できるようにもなります。弁護士とは業務範囲が大きく異なりますが、パラリーガルと比べると高収入を得やすい点がメリットです。
司法書士試験の合格率は例年4~5%と低く、狭き門と言わざるを得ません。しかし試験内容には、パラリーガルとして関わる可能性のある「登記法」なども含まれています。普段の業務では関わらない憲法や刑法などの専門的な学習が必要ですが、一般職から司法書士を目指すよりは合格する確率を高められるでしょう。
パラリーガルになれば、弁護士や司法書士などの高度な法的専門職にステップアップしやすくなるでしょう。パラリーガルになれば日頃から法律に関する知識を得ることができ、また収入を得ながら勉強できることもメリットです。ただし、司法試験や司法書士試験を突破するためには、日常の業務では関わらない専門的な学習も必要ですので、勉強時間を確保しやすい法律事務所で働くことをおすすめします。
リーガルブライトでは、試験勉強に対して理解ある法律事務所をご紹介します。長年にわたる法律事務所・法務系業務に特化した人材サービスを通じて得た情報を生かし、多面的なサポートを行いますので、弁護士・司法書士への足掛かりとしてパラリーガルになることを目指している人は、ぜひ弊社サービスをご活用ください。