弁護士業務の補助を行うパラリーガルは、どれくらいの年収を見込めるのでしょうか。弁護士と比べるとパラリーガルの平均年収は高くありませんが、働き方次第で年収を上げることも可能です。
本記事では、年代別に見たパラリーガルの平均年収や年収の上げ方、そして仕事内容を解説します。
パラリーガルの平均年収は330~400万円前後で、年代によって異なります。年代別に見たパラリーガルの平均年収は以下のとおりです。
年代 | 年収の目安 |
---|---|
20代 | 250~300万円 |
30代 | 300~380万円 |
40代 | 400~420万円 |
50代 | 420~450万円 |
60代 | 330~350万円 |
年代が上がり、経験を重ねるにつれて年収が上がる傾向にあります。ただし、個人のスキルや仕事の出来高などでも左右されます。
パラリーガルの仕事内容は、主に以下の4つです。
<パラリーガルの仕事内容>
・契約書や訴状などの文章作成
・判例をはじめとする専門的な資料の収集
・裁判所など関係先での手続き
・クライアントとの打ち合わせ
基本的には、弁護士の助手としてサポートする仕事と考えると良いでしょう。ただし、クライアントとの打ち合わせなども業務に含まれるため、弁護士以外の人物とも頻繁に接触します。そのため、秘書というよりは事務職のイメージに近いかもしれません。
パラリーガルの平均年収を見ると、法曹関係の仕事としてはやや低く感じるでしょう。その理由は、法律事務所そのものの収入が低いことにあります。
司法制度改革により弁護士の数が増えたものの、訴訟件数は増えていません。このような構造が職員の給与を底上げしにくい状況を招いているのです。しかし、パラリーガルの年収を上げるポイントはいくつか存在しますので、後ほど詳しくご紹介します。
パラリーガルの年収の特徴には、以下の3点が挙げられます。
<パラリーガルの年収の特徴>
・基本的には個人のスキルによって年収は異なる
・地方よりも都市部の方が高い年収を期待できる
・大手事務所は年収が高い傾向にある
順番に詳しく解説していきます。
基本的には、個人が持つスキルに応じて年収が異なります。例えば法律事務所等で働いた経験を持つ人は好待遇を受けやすく、またパラリーガル認定資格を持つ人物ならば必要なスキルを持っていることを証明できますので歓迎されるでしょう。
さらに、事務所によって求められるスキルが異なることも特徴です。不動産に関連するクライアントが多い事務所なら宅建業法や建築基準法、民事事件を中心に扱う事務所なら交通事故・破産申し立てなどに詳しい人が高く評価されます。
パラリーガルは、地方と比べると都市部の方がより高年収になる傾向にあります。東京都や大阪府などの大都市、地方都市の高等裁判所所在地、その他の地域という順番で年収が下がるのが一般的です。これは、都市部にある事務所ほどクライアントが多いことも理由のひとつと考えられます。
クライアントが多く、規模が大きい大手事務所ほど年収が高い傾向にあります。「四大法律事務所」と呼ばれる大手弁護士法人の場合、経験や資格にもよりますが最大で1,000万円規模の年収を得ることも可能です。平均的な年収を大きく上回る可能性があるため、高収入を狙う人は大手への就職・転職を狙うと良いでしょう。
パラリーガルが年収を上げるおすすめの方法は、以下の3つです。
<パラリーガルが年収を上げる3つの方法>
・資格を取得する
・語学力を高めて業務範囲を拡大する
・収入の良い事務所に転職する
順番にわかりやすく解説します。
法律に関連する資格、もしくはパラリーガルとしての能力を証明する資格を持つことが年収アップに直結します。パラリーガルは特別な資格が無くてもつける仕事ではありますが、年収を上げるには以下のような資格を取得しておくと良いでしょう。
<パラリーガルとしての年収を上げるために役立つ資格>
・パラリーガル認定資格
・司法書士、行政書士の資格
・秘書検定
・TOEICやTOEFLなど語学に関連する資格
パラリーガルは弁護士をサポートする仕事が多いため、ビジネスマナーやマネジメントスキルを証明できる秘書検定が年収アップに役立つ場合があります。また、パラリーガル認定資格を取得しておけば即戦力になることをアピールできるため、特に未経験からパラリーガルになる場合は有利になります。
語学力を高めて業務範囲を拡大することも、年収アップを実現させるためのコツです。TOEICやTOEFLなどの国際的にも認められた検定試験において好成績を残すと、年収を上げやすくなります。
特に大手外資系法律事務所の場合、一定の英語力が求められることがあります。中小規模の法律事務所も海外案件を抱えるケースがありますので、業務範囲を広くカバーできる人物ほど評価されやすいのです。
大手事務所かそれ以外かによって、パラリーガルの年収は大きく異なります。昇給でコツコツと年収を上げる方法もありますが、条件の良い事務所に転職してキャリアアップした方が効率的と言えるでしょう。
四大法律事務所など最大手への転職は難易度が高いですが、自身が持つ特殊な資格や知識、経験を評価する事務所が身近なところから見つかるかもしれません。事務所ごとに求める人材が異なるので、能力をフルに発揮できる事務所への転職を目指すことが年収をアップさせるポイントです。
パラリーガルの平均年収は330~400万円前後です。法曹関係職の年収としてはやや低めですが、事務所の規模によってパラリーガルの評価基準が異なります。パラリーガルとして働きながら年収をアップさせたいならば、大手事務所や自身の特徴を高く評価する事務所への転職を目指しましょう。
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